なすびの花
新しい仕事に就いた。
葬儀会館の宿直。
音楽を楽しめる環境にはない。
仮眠時間6時間。
ラジオを聴くのも音量に気を使う。
鼻歌ももちろん厳禁。
作詞のフレーズは、全く閃かなくなった・・・。
週に2日の休みにやるしかないが
今の所、睡眠を回復させるのが
精一杯。
ゆとりがない。
歌えるとしたら、車の運転中だが
こちらも、まず安全運転優先なので
歌詞の点で思い切り歌えず。
仕事に慣れるまでは、仕方がない。
思うに、歌を歌うには
何らかの条件が必要のようだ。
心が多忙になると、余裕がなくなる。
おふくろが、生前よく言っていた。
「ひろちゃん、男は、いつでも、歌を口ずさめるくらいでないと、いかんぜ」
・・・・。
おばあちゃんの口癖は
「親の意見と なすびの花は、千にひとつの仇もない」
ほんまにほんまにその通りです。
復活
一応仮眠時間はもらえるが、ぐっすり眠ることなど夢の夢。
そんな仕事についてもうすぐ1ヶ月である。
次第に歌う機会が減り、喫茶に行く時間もとれず
情熱が少しずつ覚めて行く。
作詞の方もまったく出てこない。
あれほど湧いていたフレーズがまったく出てこない・・・。
睡眠不足とは、かくも厳しいものか・・・。
そんな中、新しい仕事で知り合ったKさん。
70歳、仕事を教えてもらっている。
休憩時間の雑談で、彼がカラオケ大好き人間だとわかった。
今は昔ほど熱中していないとのことだが
自宅の近くの店の経営者と友人らしい。
また、新しいカラオケ日誌が、書けるかも知れない。
人生は巡り合いですなあ・・・。